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芥川陽介
コンサルタント(株)シンクアウト代表 年収2,000万
高校卒業後、アメリカへ留学。デューク大学でマーケティングとコンピュータサイエンスをダブル専攻する。卒業後は大手メーカー、コンサルティング会社を経て、29歳で独立。現在は広尾ガーデンヒルズで♂のドーベルマン"マイルス"と同居中。そろそろ結婚も考えているが、つき合っているGFはいずれも「帯に短したすきに長し」といった感じ…。
趣味…ジャズ演奏(cb.)とスポーツ(サッカー・ダイビング・テニスe.t.c)
愛車…メルセデスベンツE 240(仕事)・ジャガーJ(プライベート)
仕事を自己実現のツールと考えている彼の目下の懸案は、某大手自動車メーカーのコンペを勝ち取ること。ライバル会社はいずれも強力で、若手コンサルタントにとっては厚い壁である。だが、それゆえになおさら闘志を燃やしている。
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2-3 出会い
「香織がいなくても、あの紺碧の地中海まで消えてなくなるわけじゃないだろー!」
完ぺきに負け惜しみの独り言をもらしながら、気持ちの分だけ微かに重くなったトラベルバックを持ち上げると、陽介はニース行きの発着口へ向かった。
飛行機を乗り換え、コート・ダジュール空港に到着したのは午後9時過ぎ。陽介は空港から宿泊先のパレ・ドゥ・ラ・メディテラネ※へ直行してチェックインした。前回ニースを訪れた時はネグレスコ※に宿をとったのだが、今回は04年にグランドオープンしたばかりというこの新しいホテル(とは言いながら、建物自体の外観は1930年代の建造物である)のアメニティを試したい、という気持ちもあったので、、
部屋へ入ると早速、ラフなリーノ(麻)のシャツに着替え、靴もお気に入りのART.lunaNU※に履き替えて、浜沿いに続くプロムナーデ・サングレへ軽快に飛び出した。ようやく闇に包まれた旧市街をそぞろ歩いた後、まだ人で賑わっているマセナ通りのレストランへ飛び込み、香織と食べるはずだった豪華なディナーの代わりに、お決まりの生牡蠣と手長エビをささやかに満喫した。その新鮮な味は格別ながら、気分の方はまるでしっくりと来ない。もちろん向かいの席に香織の笑顔がないせいだ。
(明日は浜辺で過ごそうか。それとも今日借りたレンタカーでカンヌにでも足を伸ばすか…?それにしてもチョット淋しいやんけ、、)
遅い夕食を終え、陽介はホテルへ戻った。カジノにも食指が動いたが、とりあえず今夜はやめる(こんな日に勝てる訳ねーだろ!)。かわりにle Pingala Barという名のホテルのBarへ入った。店内の真紅の壁を眺めながらカウンター席に落ち着き、マティーニを注文した(やけくそのヘミングウェー気取りで、、)。やがて差し出された冷たいグラスに口をつけた時、急に後ろから日本語で話しかけられた。
「あの、すみません・・突然で失礼します。日本の方です、、よ、ね?」
振り返ると、髪の長い東洋人の女が立っていた。しなやかな肢体を包む黒のカクテルドレスが、店内の鮮やかな紅い壁を背景にして、まるで生気を得た影のような不可思議な存在感をかもし出している。
陽介はやっとの事で、不自然な微笑みを作りながら、突如現れた謎の美女に向かって頷いた。「え?、、ええ!」
※ART.lunaNU:陽介がリゾートへ必ず持参する、ピーエヌアイ スローシューズのメンズシリーズ。表裏すべての革にナチュラルタンニングレザーを使用した最高にリラックスできる一足である。その柔らかい風合いと洒脱なデザイン、そして絶妙の履き心地もさることながら、製造段階から化学成分をいっさい排除したアレルギーになりにくい素材で作られていること、廃棄後も環境を汚染しないエコロジー仕様であることも彼のポリシーに見事に適っている。
※パレ ドゥ ラ メディテラネ:ニース空港から8Kmのプロムナード・デ・サングレに位置する真新しい最高級ホテルだが、建物自体はフランスの文化遺産に指定されており、その外観はまさに貴族のパレ(宮殿)の如きスケール。客室はアール・デコスタイルで飾られ、ホテル内にはフィットネスやカジノもあって滞在中も飽きない。
※ネグレスコ:1913年創業されたニース随一の老舗高級ホテル、ホテル・ネグレスコのこと。ここは王室関係者なども多く利用し、“ニースの顔”として認知されている。館内には所蔵の絵画や彫刻など美術品などが展示され、ミュージアムホテルとしても楽しむことができる。
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